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2010年12月26日 (日)

東京11/21 その8

だいぶんメモも空いてしまい、旅してから一か月も経ってしまったけどたぶん最終メモです。

森五郎とおいしいランチを食べた後は、東京来るなら絶対寄らないとアカン場所になっている(笑)「岡本太郎記念館」へ向かいました。年明けに行ってから1年も経ってなかったんやけど、どこで曲がるんやったかな?と・・不安。でも無事到着。その日も、たくさんの来場者が居ました。相変わらず、庭に鎮座している作品たちは毎度楽しそうです。ヤー!ヤー!

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この日の展示内容は『 化け文字  ~書家・柿沼康二の挑戦状~ 』というもので、入ってすぐの頭上にはデカイ書がドーンと展示されていました。正直、書道家の方には詳しくなく「柿沼康二」氏がどんな書家なのかわからなかったけど、太郎記念館とコラボするワケですから爆発な人なんだろうなとイメージ・・

帰って来てからですが、この展覧会の柿沼氏のコメントを読むと、やっぱり爆発な人やと(笑)
『小生、「太陽の塔」と同い年、今年40歳を迎えたばかりの若輩者ではございますが、生誕100周年を迎える太郎さんと、太郎さんの聖地・青山にて再び対決させていただくことになりました。』
対決っていいよね。うん。

で、2階の展示の様子を森五郎とグルグル眺めておりました。渡り廊下の奥の部屋には、半紙が山のようにこんもりと積まれており、その上に「太郎」と「敏郎」と書かれたものがありました。自分としては「敏子」ではなくて「敏郎」なのはなんでだろう、太郎と敏子さんで敏郎かい??なんて、いろいろぼんやり思ってたわけですが、その時に一人の小柄なご婦人が私らに声を掛けて来ました。

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ダダっとあれこれ聞かれたはずで詳細は忘れてしまいましたが、ともあれ「書家の展覧を目的にきたんか?」みたいな感じだったので、私らは太郎さんのファンで何度もここには訪問してるけど、たまたま今日は書道の展示だったわけですと答えたら、あらそうって感じでしたが、私らが書道に詳しくないというわけで、あれこれ説明をし始めました。ぶっちゃけ、え、イヤ、どうしよう・・って感じでした。

だって、ものすごい勢いなんですわ

で、ご婦人の言うには「今のテレビに出てる書家の○○はダメ!全然うまくない!!だけどテレビで人気が出ちゃったもんだから弟子がいっぱい出来て、金儲けばっかり!!」と、えらく不満をぶち明けはじめ・・・、アハハ・・

で、なんでこのご婦人がこんなに憤慨してるかと言えば、ご婦人も書家なんだそうで、同業としてやはり「テレビ的」になった書家に残念な気持ちを持ってるような、そんな感じでした。

そして先に書いた半紙の山の上に置かれた「太郎」と「敏郎」の文字。

ご婦人は「今のテレビに出てるナンチャラさんとかは、こういう文字を書けないのよ!流儀も何もないわけね!」みたいなことを言うので、私が「その、空海流ですか?」と言うと、「あんた、書道やってんの!?」とガッついて来られ(笑)、私はたまたまこの東京に向かう新幹線の中で夢枕獏の「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」を読んでたから「空海の書法」という言葉を知っただけで、それが一体どんなに深いものなのかなんてわかってないわけです。だから、ご婦人のガッつきぶりにちょっと狼狽してしまいました・・アハハ・・

熱いご婦人のトークに、しまいには3人しゃがみ込んで、ご婦人の展覧会用の葉書を見せられ、自分の作品はこんなんだよ、とか、これはこういうイメージで書いたんだ、とかエンエンと説明してくれました(笑)

結局、、、ご婦人は「足が悪いからエレベーターのある改札口まで連れてってほしい」と言うので、青山駅のホームに連絡しているエレベータがあるビルまで3人で向いました。

ご婦人は、大そう喜んでくれてご機嫌さんで地下へ降りてゆきました。ああ、密度の濃い時間でした・・ふー。

森五郎曰く「クリさんが、空海っていうからぁ~」とケラケラ笑うので、自分もまさかあそこで書家の人に話かけられるなんて予想もしてなかったし、さらにまさかの「送ってくれ」コールも予想してなかったし、、と、とりあえずお茶でも飲みに行こう・・と表参道へ。

しかし、まぁ休日の表参道で、かつカフェタイムな時間ということもあり、どこもかしこも満員御礼。あっちこち歩いて、なんとか空いてるカフェを見つけ、珈琲飲みつつダラダラと。

ふと、新幹線で夢枕獏を読んでなかったら、あの書画が「空海流」だとは気付かなかったし、あのご婦人がなんでテレビ的な書家さんに不満を持っているかという、ほんとの不満の部分を理解出来なかっただろうから、なんちゅうタイムリーやったんやろうと。いま思い返しても、不思議なメグリ合わせやった感じがしますな。

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で、太郎は密教については非常に深く潜った人で、纏わる場所へはたくさん訪問しておりエッセーもいろいろと残されてます。太郎の描いた「太郎の文字」も空海流を彷彿させる書体のものがあるわけで、そうなんですよ、やっと私も少しですが、その持つ力みたいな、太郎の伝言みたいな、そういうものがやっと今頃感じて来た次第です。

太郎のことを好きになって、結構経ちますが、瞬間「あ!」と思うことがポツポツ出て来たかなと。太郎は、現代の謎ナゾを仕込んだ呪術師やったかもしれん、などとそんな風に思ったりします。やっぱり、あの日、あの時間、あの瞬間に森五郎と記念館に行かなくちゃいけなかったんだろうなぁと、今もしみじみ思います。

で、私はゴッホの展覧会を観に、森五郎は娘チャンが待っているのでご帰宅です。私の「趣味」にいつも付き合ってくれておおきに。大大大感謝。あ、最終メモのつもりだったけど、もうちょい続くかも(笑)

※ちなみに空海の書法は「大師流」と呼ぶそうで、有名な作品では「風信帖」「灌頂記」「三十条策子」があります。「風信帖」というのは、ライバルの最澄にあてた手紙で書き出しの「風」という文字が「龍爪書」という形になっていて、これが暗号と言われているそうです。龍は風を呼び、風は雲を呼ぶ、最澄に対して「今から私は風雲を呼びますよ」と予告しているとか。で、この件を読んでいたので、記念館に展示されてた「太郎」の文字の太が「龍爪書」になっているなと思ったわけです。そうじゃなきゃ、想像つかないです。ご婦人と話が出来て、よかったなぁと。

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